「頑張ってるのに上達しない…」その気持ち、すごくよくわかります
ヨガが上達しないと感じる瞬間
「こんなに続けてるのに、なんでポーズが決まらないんだろう？」 ヨガを続けている中で、そんな風に感じたことはありませんか？
最初は「心と体が整う」「柔軟性が上がる」といった期待を持って始めたヨガ。
数ヶ月経っても変化が見られず、むしろ違和感や不安を感じ始めてしまう。
これは決してあなた一人ではなく、多くの人が通る壁です。 SNSやスタジオで周りの人を見るたびに、自分だけが置いていかれているような感覚に陥るのも自然なことです。
実は、この「上達していない気がする」という感覚そのものが、あなたが真剣にヨガに取り組んでいる証拠なのです。
他人と比較してしまう心理
ヨガは本来、「他人との競争」から離れ、自分の内面と向き合う時間のはずです。
しかし、ポーズの完成度や身体の柔軟性が目に見えるため、どうしても「他人と比べてしまう心」が顔を出します。
特にSNSで美しいポーズの写真や動画を目にすると、「自分はまだまだ…」と焦りや劣等感に襲われることもあるでしょう。
ヨガのゴールは「見せること」ではなく「感じること」。
あなたの呼吸、あなたの体調、あなたのペースに寄り添っていくことこそが、本当の上達です。
上達＝ポーズの完成度？という誤解
ヨガが上達しているかどうかを「できるポーズの数」や「深く曲がる柔軟性」だけで判断していませんか？
ヨガのごく一部の指標にすぎません。
本来のヨガは、アーサナ（ポーズ）だけではなく、呼吸法（プラーナーヤーマ）、瞑想（ディヤーナ）、そして生活の中の在り方までも含む、深い実践です。 ポーズが上手く取れなくても、「呼吸が深くなった」「落ち込んでも立ち直りが早くなった」といった変化は立派な上達です。
今のあなたにも、すでに“見えない進化”が起きているかもしれません。
誰にでもある“伸び悩み期”の存在
ヨガを長く続けている人ほど口にするのが、「ある時期、全く変化を感じられなかった」という言葉。
“伸び悩み期”＝成長の前触れでもあるのです。
筋肉が再構築されるタイミング、呼吸が深くなるための調整期間、マインドが定まってくる前の揺れ—— こうした“変化の準備段階”にこそ、地道な継続が求められます。
一見何も起きていないように見える時期こそ、心と体が静かに育っているサインかもしれません。
ヨガが上達しない7つの理由｜あなたはいくつ当てはまる？
柔軟性や筋力だけに頼っている
ヨガを始めると、「体が柔らかくならないと」「筋力がないとポーズができない」と思い込みがちです。
確かにある程度の柔軟性や筋力は必要ですが、それだけでヨガは上達しません。
ヨガでは、体の使い方や意識の向け方がとても重要です。
ただ脚を開くだけではなく、「どの筋肉を伸ばしているか」「呼吸と動きが連動しているか」を感じることが、深いアーサナの理解に繋がります。
筋肉を鍛えるトレーニング的なアプローチではなく、感覚を研ぎ澄ます“内観”こそが、本質的な上達を導く鍵なのです。
呼吸が浅くなっている
ポーズに集中するあまり、呼吸が止まってしまっていませんか？
無意識に早く浅い呼吸になってしまっていることもあります。
ヨガにおける呼吸（プラーナーヤーマ）は、ただの酸素供給ではなく、エネルギー循環そのものです。
呼吸が浅くなると、筋肉の緊張が取れず、ポーズの安定性も失われます。
反対に、深く安定した呼吸ができると、柔軟性や集中力も自然と高まっていきます。
練習中、「吸っている？吐いている？」と自分に問いかけながら、呼吸の波に身をゆだねることを意識してみましょう。
完璧主義で体を固めてしまっている
ヨガに対して「正しくやらなければ」「完璧なポーズを取らなければ」と思うほど、逆に上達が遠のくことがあります。
理由は、力みや緊張が体の自然な動きを妨げるからです。
正確さを追い求めすぎると、呼吸が止まり、筋肉に無駄な力が入ります。
結果として、本来のポーズの恩恵を感じられず、「できていない」という自己否定に陥ってしまうのです。
ヨガの本質は「今の自分を受け入れること」。
完璧から離れ、心地よさを感じる方向へ体を導くことで、本当の成長が始まります。
自分の体と対話できていない
「先生が言ったからこう動く」「動画の通りに真似る」だけの練習になっていませんか？ ヨガは“体の声を聞く”練習でもあります。
ポーズ中に「ここが痛い」「ここが伸びている」「ここは左右差がある」と気づけるかどうかで、上達スピードは大きく変わります。
外からの指示を鵜呑みにするのではなく、「この動き、今の自分に合っているかな？」と問いかけながら動いてみてください。
小さな意識の積み重ねが、結果として大きな変化を生むのです。
上達している人はここが違う！継続する人の“内面習慣”
比較しないマインドセット
ヨガで上達している人の共通点のひとつが、「人と比べない」ことです。
私たちはつい、「あの人は綺麗にできているのに」「自分はまだまだ…」と他人と自分を比べてしまいがちです。
でも、ヨガの本質は“自分との対話”であり、競争ではありません。
比較してしまうと、自分を否定し、自信を失い、楽しささえ感じられなくなります。
上達している人ほど、目の前の呼吸と動きに集中し、自分の中での「昨日との違い」を大切にしています。
「今日の私は、どんな感じ？」と毎回の練習を丁寧に観察することが、継続のコツであり、上達の近道です。
小さな変化に気づく力
大きな変化は一朝一夕では訪れません。
しかし、上達している人は“変化の芽”を見逃さない感性を持っています。
「今日は呼吸が深くなった気がする」「昨日より腰が伸びた気がする」——そんな微細な感覚の違いに敏感なのです。
「気づき」を積み重ねることで、自分の体や心の変化に対して自信と納得が生まれます。
「気づき」はさらなる継続と上達へのモチベーションになります。
ヨガは「感じる練習」。 その日の天候、体調、気分によっても変わる感覚を受け止める力が、あなたのヨガをもっと豊かにしてくれます。
目的ではなく“プロセス”を楽しむ姿勢
ポーズが完成することを「ゴール」と捉えていませんか？ もちろん目標があるのは良いことですが、上達する人ほど、そのプロセス自体を楽しんでいます。
たとえば、前屈が1cm深まったことに喜びを感じたり、ある日は全然動けないけど、「今の私」として受け入れたり。
「完璧じゃなくてもいい」「不調も学びの一部」と捉えることで、続けることが苦にならなくなります。
小さな発見や違和感も、「今の自分を知る時間」として楽しめるかどうかが、ヨガとの向き合い方を大きく変えるのです。
毎日の記録や振り返りの重要性
日記やメモなどで、練習内容や気づいたことを記録する習慣も、上達には非常に有効です。
「今日は呼吸が浅かった」「ダウンドッグが楽に感じた」など、小さな発見を書き留めることで、自分の変化が“可視化”され、自信につながります。
また、停滞を感じたときに過去の記録を振り返ると、「以前よりは進歩している」と確認でき、モチベーションを取り戻すこともできます。
ほんの数行でもいいので、ヨガ後に数分だけでも“振り返りの時間”を作ってみてください。
今日から試せる！ヨガ上達のための練習法と意識改革
ポーズごとのチェックポイント（例：ダウンドッグ）
ポーズの完成度にこだわるよりも、“どこに意識を向けるか”が上達の鍵です。
たとえば、ダウンドッグ（アド・ムカ・シュヴァナーサナ）では以下のようなポイントを意識してみましょう。
- 手のひら全体で床を押せているか？
- 肩がすくんでいないか？
- 膝は伸ばそうとしすぎて、腰が丸まっていないか？
- かかとを無理に床につけようとしていないか？
それぞれのポーズに“観察ポイント”があり、そこに意識を向けることで、フォームの質が高まり、効果も増します。
レッスンのたびに一つずつでも意識してみると、自然と体の使い方が洗練されていくでしょう。
呼吸を意識した動き方
ヨガのアーサナは呼吸と動きの“連動”が本質です。
動くときに息を止めたり、意識が飛んでしまうと、ヨガの恩恵は半減してしまいます。
たとえば、
- 吸うとき：背骨を伸ばす、胸を開く
- 吐くとき：体を深める、リリースする
という基本原則を押さえつつ、呼吸のリズムに合わせてポーズを取ると、無理のない自然な動きが生まれます。
また、呼吸に集中することで雑念が減り、マインドフルな状態にも近づきます。
ポーズを完璧に決めることより、「呼吸に乗せて動けたか？」を毎回の目標にしてみてください。
自宅練習でも上達する工夫
スタジオだけでなく、自宅での練習も上達には欠かせません。
ただし、“流れ作業のような練習”では上達しません。
以下のような工夫を取り入れてみてください。
- 練習前に「今日は○○を意識する」とテーマを決める
- 鏡を使ってフォームをチェックする
- 動画のまねではなく、自分の呼吸に合わせる
- ポーズの前後に「どう感じたか」を振り返る
特に大切なのは、「できた・できない」ではなく、「今日はどうだったか？」という観察視点です。
10分でも良いので、意識を持った自宅練習を習慣にしてみましょう。
上達を焦らず“感じる練習”へ
「もっと柔らかくなりたい」「もっと深いポーズを取りたい」という焦りは、時に逆効果になります。
ヨガは“感じる練習”であり、“競争する訓練”ではありません。
焦る気持ちは、呼吸を浅くし、無理なフォームを誘発します。
「今の私にとってこのポーズはどんな感覚か？」と内側に目を向けることが大切です。
- 伸びて気持ちいい - 少し痛いけど心地よい
- 呼吸が止まりそうだから緩めよう
小さな感覚を大事にすることで、体と心が自然と開いていきます。
上達とは「深く曲がる」ことではなく、「深く感じられる」ことなのです。
それでも伸び悩む時の処方箋｜気持ちを整える5つのリセット法
思い切って休む勇気
「練習を続けなきゃ」「休んだら後退しそう」と思っていませんか？
でも、休むことも“練習の一部”です。
体も心も、常にエネルギーを出し続けていれば疲れてしまいます。
伸び悩みを感じたときは、思い切って数日〜1週間、ヨガから離れてみるのも一つの手です。
不思議なことに、休むことで筋肉が回復し、呼吸も深まり、再開したときに「前よりもポーズが取りやすくなっている」と感じることもあります。
罪悪感ではなく、「回復の時間」として休む。
そのマインドが、長くヨガを続ける秘訣です。
環境を変えてみる（スタジオ・先生）
同じ場所、同じ先生、同じシークエンス…… 毎回が「慣れ」になっていると、心も体も刺激を感じにくくなってしまいます。
そんな時は、スタジオや先生を変えてみることで、新たな気づきが得られることがあります。
- 陰ヨガ→パワーヨガなどスタイルを変える
- 他のインストラクターのクラスに参加する
- オンラインとオフラインを使い分けてみる
視点が変わると、同じポーズでも違った感覚や理解が生まれます。
“自分の型”にハマっていたことに気づける良いチャンスにもなります。
ヨガ哲学に触れてみる
ポーズ（アーサナ）ばかりに集中していると、上達が止まっているように感じることがあります。
ヨガ哲学に触れてみることをおすすめします。
『ヨーガ・スートラ』や『バガヴァッド・ギーター』などの古典に目を通すと、 ヨガが「心の作用を止める」「人生そのものに向き合う」深い学びであることが見えてきます。
上達しないことに悩んでいた自分が、いかに“外側”ばかりを見ていたかに気づくかもしれません。
ポーズはあくまで一部。
ヨガの“全体像”を知ることで、新しいモチベーションが湧いてきます。
一度まったく別ジャンルの運動を試す
ヨガに行き詰まりを感じたら、思い切ってヨガ以外の運動を試してみるのもアリです。
- ダンスでリズム感を養う
- ピラティスで体幹を鍛える
- ウォーキングで有酸素運動を取り入れる
異なる体の使い方を経験することで、ヨガに戻ったときに新鮮な感覚が生まれます。
特に、ピラティスやバレエなどは姿勢や体幹に通じる部分も多く、ヨガのポーズの理解が深まる場合もあります。
「ヨガだけにこだわらない」柔軟な姿勢が、かえってヨガへの情熱を取り戻してくれることもあるのです。
まとめ｜上達しない時期こそ、いちばん心が育つとき
焦らず続けることの価値
ヨガを続けていると、必ず「伸び悩み期」にぶつかります。
どれだけ努力しても、成果が見えない時期はあります。
でも、その時間は決してムダではありません。
むしろ、変化がないように感じる時間こそ、内側が育つ“準備期間”です。
目に見える変化ばかりを求めると、焦りや比較の感情が生まれてしまいます。
「今この瞬間、私は自分と向き合っている」と思い出してください。
続けることそのものに、価値があります。
自分を労わる視点
「できない自分」に対して、つい厳しくなっていませんか？
本当は、頑張っている自分を、もっと認めてあげていいのです。
今日もマットの上に立った。 呼吸を整えようとした。
それだけで、あなたは十分にヨガを生きています。
上達を目指すことと、自分に優しくすることは、決して矛盾しません。
両立してこそ、長く続けられるヨガになるのです。
ヨガの本質とは何か
ポーズを深めること。 呼吸を整えること。
心を静めること。 ヨガにはさまざまな側面がありますが、本質は「今の自分を受け入れること」に尽きます。
「できた」「できない」ではなく、「今ここにいる」という事実こそが、ヨガの始まりです。
どんな気持ちでも、どんな状態でも、マットの上に立つ勇気があれば、それで十分。
上達とは、心の柔軟性が増すことでもあるのです。
明日からまたマットに立つ勇気
今日、この記事を読んでくれたあなたは、きっと悩みながらもヨガを大切にしている人です。
だからこそ、明日もまたマットに立ってほしいと思います。
完璧じゃなくていい。 不安があってもいい。
「上達しないな」と思っていても、それでも続けるあなたは、すでに素晴らしいのです。
ヨガの道は、長く静かな旅路。
一歩ずつ、自分らしいペースで進んでいけば大丈夫です。